産後パパ育休は神制度!?社会保険料免除で実質手取り100%!!

資産形成

先日、子どもが生まれました。初めての子どもです。

母子ともに健康に生まれてきてくれたこと、まずはそれに感謝しかありません。

出産後はまず、公務員に用意されている2つの特別休暇を使って1週間ほど休み、入院中の妻のサポートに専念していました。

💡 育休の前に使える「2つの有給休暇」(公務員の場合)

休暇の名前 日数 主な使いみち
配偶者出産休暇 2日 妻の出産に伴う入退院の付き添いなど
育児参加のための休暇 5日 配偶者の産前産後期間中の育児・家事

合わせて7日間。しかもどちらも有給なので給与は満額出ます。育児休業に入る前に、まずはこの2つを使い切るのが基本だと思います。
※ 日数や名称は自治体の条例によって異なる場合があります。民間企業でも独自の出産休暇を設けている会社があるので、まずは就業規則を確認してみてください。

この7日間が終わり、妻が退院する日程に合わせて、いよいよ「産後パパ育休」を申請しました。

この制度、調べていくうちに気づいたのですが、取り方を工夫すると社会保険料の免除を2か月分受けられます。私は実際にその形で申請しました。

私は公務員として病院で働いています。公務員には民間とは少し違う、かなり有利なルールもあるので、そのあたりも実体験として書いていきます。

⚠️ はじめにお伝えしておきたいこと

この記事は「お金の話」に特化して書いています。ですが、育休は本来育児を最優先に考えて取るものです。お金のために育休の日程を決めるのは順番が逆だと私は思っています。
ただ、経済的な不安があると育児に集中できないのも事実。安心して育児をするために必要な知識として読んでいただければ嬉しいです。

産後パパ育休と社会保険料免除の制度解説

そもそも「産後パパ育休」とは?

産後パパ育休(正式名称:出生時育児休業)は、2022年10月に始まった比較的新しい制度です。名前のとおり「パパの育休取得を促進する」ことが目的でつくられました。

普通の育児休業とは別枠の制度で、ここが後で効いてきます。まずは全体像から見ていきましょう。

項目 産後パパ育休 通常の育児休業
取得できる時期 子の出生後8週間以内 原則1歳になるまで
取得できる日数 最大4週間(28日) 原則1年
分割取得 2回まで 2回まで(別枠)
申し出の期限 原則2週間前まで 原則1か月前まで
休業中の就業 労使協定があれば可能 原則不可

ポイントは申し出が「2週間前まで」でいいところ。通常の育休は1か月前までなので、産後パパ育休のほうが直前まで動けます。出産予定日は前後しますから、この柔軟さは本当にありがたい。

⚠️ 分割するなら、最初の申請で2回分まとめて書く

産後パパ育休を2回に分割する場合、初回の申し出時に2回分をまとめて申告するのがルールです。あとから「もう1回取りたい」と追加で申し出た場合、法律上は会社が2回目を断ることもできます
実際に拒否されるケースは少ないと思いますが、申請書に最初から2回分書いておけば手間はゼロで確実です。私も最初に2回分まとめて申請しました。

私の取得スケジュール:2か月分の社会保険料を免除する

先に結論から。私はこういう取り方を選びました。

2026年9月

123456789101112131415161718192021222324252627282930

■ 休業14日間 ■ 30日は出勤

2026年10月

12345678910111213141516171819202122232425262728293031

■ 休業14日間

期間 日数 社会保険料
9/16〜9/29 14日 9月分が免除(14日ルール)
9/30 いったん職場復帰(出勤)
10/1〜10/14 14日 10月分が免除(14日ルール)
合計 28日 2か月分の社会保険料が免除

産後パパ育休の上限は28日・分割2回。この取り方は、両方ともピッタリ使い切って2か月分の免除を取りにいく形になっています。

ポイントは9月30日にいったん出勤していること。ここで区切ることで「9月の中で始まって終わる休業」「10月の中で始まって終わる休業」の2つになり、後述する14日ルールが両方の月で使えます。

社会保険料が免除される3つのルール

なぜこの取り方で2か月分が免除になるのか。育休中の社会保険料免除には3つのルールがあり、これを知っているかどうかで結果が変わります。

ルール 内容 対象
① 月末ルール その月の末日に育休中なら、その月の保険料が免除 給与・賞与
② 14日ルール 同じ月の中で開始して終了し、その月の育休が14日以上なら免除
※2022年10月の改正で追加されたルール
給与のみ
③ 賞与ルール 賞与月の末日を含む、連続1か月超の育休が必要 賞与のみ

私のケースで使っているのは②の14日ルールです。9月も10月も「その月の中で始まって、その月の中で終わる、14日以上の休業」になっているので、両方の月で条件を満たします。

💡 公務員の場合は「共済組合の掛金」ですが、ルールは同じです

私は公務員なので、正確には健康保険・厚生年金ではなく共済組合の掛金の免除になります。
ただし令和4年10月の改正で、共済組合の掛金免除にも民間と同じ14日ルールが導入されました。「月末時点で復職していても、その月内に14日以上の育児休業を取得していれば免除」という扱いです。期末手当等にかかる掛金だけは1か月を超える育児休業が必要という点も、民間の賞与ルールと同じ考え方です。

⚠️ 月をまたぐと14日ルールは使えない

たとえば9月23日〜10月6日という取り方をすると、日数は同じ14日でも月をまたいでいるので14日ルールは適用されません
この場合は①の月末ルールだけが働きます。9月30日は育休中なので9月分は免除、でも10月末は出勤しているので10月分は免除されません
同じ「14日休む」でも、月のまたぎ方ひとつで免除が1か月分減るということです。

⚠️ 休業中に就業した日がある場合は要注意

産後パパ育休は、労使協定があれば休業中に一部就業することが認められています。ただし就業した日の扱いによっては14日を割ってしまう可能性があります。ギリギリ14日で組む場合は、就業日を入れないほうが安全です。心配な方は事前に人事担当者へ確認してください。

免除は「払わなくていい」だけではない

ここ、意外と知られていないのですが、社会保険料の免除にはもう一段いい話があります。

💡 ここがポイント:将来の年金は減りません

育休中の社会保険料免除は、単に「払わなくていい」だけではありません。「保険料を納めたものとして扱う」という制度です。
つまり免除された期間も、将来の年金額の計算にはちゃんと反映されます。払っていないのに、払ったことになる。健康保険証もそのまま使えます。

「保険料を払わない=将来の年金が減る」と思って育休をためらう人がいますが、その心配はありません。ここは安心して制度を使ってください。

ボーナス月は要注意。ここだけは天秤にかける必要あり

ただし、ボーナス(賞与)については話が別です。

先ほどの表のとおり、賞与の社会保険料免除には14日ルールが使えません。賞与月の末日を含む連続1か月超の育休が必要です。

ここで悩ましいのが、1か月以上休むと、多くの会社や公務員ではボーナス自体が減額(除算)されるという点です。

選択肢 賞与の社会保険料 賞与そのもの
1か月以内の育休 免除されない 満額もらえる可能性が高い
1か月超の育休 免除される 減額される可能性が高い

保険料が免除されても、そもそもの賞与が減っては意味がありません。ボーナス月にかかる育休を考えている方は、必ず両方を計算して比べてください。ここだけは「長く休むほど得」が成立しません。

私は公務員。「合算されない」仕組みがかなり効きます

私は公務員として働いているのですが、調べていていちばん驚いたのがここでした。かなり有利な仕組みが用意されています。

公務員の場合、期末手当・勤勉手当(いわゆるボーナス)の算定において、子の出生後8週間以内の育児休業と、それ以外の育児休業は合算されないことになっています。さらに1回の承認にかかる育児休業が1か月以内なら、除算の対象外です。

これが何を意味するのか。私がこれから使おうと思っている形で説明します。

A
産後パパ育休を28日間(1か月以内)
→ 1回の承認が1か月以内なので除算されない
B
そのあと育児休業を30日間(1か月以内)
→ こちらも1か月以内なので除算されない
合計で約2か月休んでいるのに、期末勤勉手当は100%支給
AとBは合算されないため、それぞれが「1か月以内」として扱われます

普通に2か月連続で育児休業を取ると、当然1か月を超えるので除算されます。ところが出生後8週以内の休業と、そのあとの育児休業に分けると、同じ2か月でもボーナスが満額のまま
私も最初は「2か月休んだらボーナス減るやろな」と半ば諦めていたので、これを知ったときは正直かなり驚きました。制度を知っているかどうかで、数十万円単位で変わってくる話です。

⚠️ 自治体の条例で細部が異なります

除算の扱いは各自治体の条例や規則によって細かい違いがあります。「うちも同じはず」と思い込まず、必ず所属の人事担当・共済組合に確認してください。制度を使う前の一本の確認が、いちばん確実です。

手取りが実質100%になる仕組み

そしてここが2025年4月からの大きな変化です。産後パパ育休中の収入は、条件を満たせば実質的に手取り10割相当になります。

■ 手取り100%になるまでの積み上げ

67%
67%
実質
13%
67%
育児休業給付
67%
+13%上乗せ
=80%
+非課税+社保免除
=手取り10割相当

カラクリはこうです。

  • 育児休業給付が休業前賃金の67%
  • そこに13%が上乗せされて合計80%
  • この給付は非課税(所得税がかからない)
  • さらに社会保険料も免除(引かれない)

働いているときの給与からは、所得税・社会保険料が引かれて手取りになります。その「引かれる分」がまるごと無いので、額面80%でも手取りベースではほぼ10割に届くという仕組みです。

💡 民間と公務員で「制度の名前」が違います

13%の上乗せは、民間と公務員で別制度・別名称です。調べるときはここを間違えると自分の情報にたどり着けません。

民間(雇用保険):出生後休業支援給付金
公務員(共済組合):育児休業支援手当金
どちらも最大28日間、13%の上乗せという点は同じです(2025年4月開始)。

ちなみに私は公務員なので、受け取るのは共済組合の「育児休業支援手当金」のほうです。同僚と話していても、この2つの名前がごちゃ混ぜになっている人はかなり多い印象でした。

なお、13%の上乗せには「配偶者も14日以上の育休を取っていること」という条件があります。ただし配偶者が産後休業中の場合は、この条件は不要です。

産後8週以内に取る産後パパ育休なら、奥さんはまだ産後休業の期間中であることがほとんど。つまり「妻が育休を取らないと自分の給付が増えない」という心配はいりません。ここは私も調べていて安心したポイントでした。

💡 パパが取ると、ママの給付も増えます

この13%の上乗せは夫婦それぞれに支給されるものです。
ママ側が上乗せを受けるには「配偶者(パパ)が14日以上の育休を取っていること」が条件になります。つまりパパが産後パパ育休を取ることで、ママの給付も増えるということ。
「パパの育休促進」という制度の狙いが、ここにしっかり効いています。

翌年の住民税も下がります

もうひとつ、忘れられがちな効果があります。翌年の住民税です。

育児休業給付金は非課税なので、その分は所得としてカウントされません。育休を取った年は課税所得が下がるため、その翌年に納める住民税も下がります

住民税は前年の所得をもとに計算されて、翌年6月から天引きが始まります。効果が出るのが1年後なので気づきにくいのですが、これも確実なプラスです。

ちなみに、産休・育休でもらえるお金の全体像や、実際にいくらもらえるかの試算は、以前つくったシミュレーターの記事にまとめています。金額を具体的に知りたい方はこちらもどうぞ。

AIを活用して「産休・育休 給付金シミュレーター」を作成!ライフプランの活用事例!

まとめ:制度を理解して、収入を安定させながら育児を楽しもう

長くなったので、最後に整理します。

  • 産後パパ育休は出生後8週以内・最大28日・2回まで分割可能。申し出は原則2週間前まで
  • 分割する場合は最初の申請でまとめて申し出る。後出しは拒否されうる
  • 同じ月の中で14日以上休めば、その月の社会保険料が免除(14日ルール)
  • 月をまたぐと14日ルールは使えず、月末ルールだけになる
  • 免除された期間も年金は減らない(納付済み扱い)
  • ボーナス月だけは別。1か月超の育休が必要だが、そうすると賞与自体が減る可能性がある
  • 公務員は産後パパ育休と育児休業が合算されないので、それぞれ1か月以内なら期末勤勉手当が満額
  • 67%+13%=80%、さらに非課税と社保免除で手取りは実質10割相当
  • 翌年の住民税も下がる

ここまでお金の話ばかりしてきましたが、最初に書いたとおり育休は育児のためのものです。制度を知ることの本当の価値は、「お金の心配をしなくていい」という状態をつくれることにあると思っています。

お金の不安があると、どうしてもそっちに気を取られます。逆に「大丈夫、収入は落ちない」とわかっていれば、目の前の我が子に集中できる。知識は、育児に集中するための土台なんですね。

私自身、これから2か月間の育休に入ります。初めての育児で不安も大きいですが、せっかく国が用意してくれた制度です。使えるものはしっかり使って、この時期にしかない時間を全力で楽しみたいと思います。

制度を理解して、収入を安定させながら、育児をしっかり楽しみましょう!

⚠️ ご注意

本記事は2026年9月時点の制度をもとに、筆者が自分のケースを調べた内容をまとめたものです。制度の細部は勤務先の規程・自治体の条例・加入する共済組合によって異なります。また制度は改正されることがあります。
実際に申請される際は、必ず勤務先の人事担当者、日本年金機構、ハローワーク、加入している共済組合などにご確認ください。筆者は社会保険労務士ではありません。

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