「このまま積み立てを続けていて、本当に大丈夫なのだろうか」
物価が上がり、光熱費も食料品も、気づけばどんどん値上がりしている。日銀の金利引き上げで住宅ローンの返済額も増えた。そんな中、毎月コツコツと新NISAに積み立てをしているけれど、「これで本当に老後の資産が作れるのか」と不安になることはありませんか?
私も氷河期世代の放射線技師として、同じ不安を抱えながら資産形成を続けています。就職氷河期を経験し、非正規雇用期間もあった私たち世代は、上の世代と同じ「モデルケース」が通用しません。年金への不信感、賃金の伸び悩み、そして40代・50代という「残り時間」への焦り。
でも、その焦りを感じているあなたは、むしろ正しい現実を見ているのだと思います。
だからこそ、2026年という今年、改めて新NISAの使い方を見直してほしいのです。
問題の本質:「積み立てているだけ」では足りない時代へ
多くの方が、新NISAを「とりあえず始めた」状態で満足してしまっています。確かに、投資を始めること自体は正解です。しかし、問題は「何となく積み立てている」だけでは、物価上昇に追いつけないことです。
2025年以降、日本の物価上昇率は年2〜3%台が続いています。一方、普通預金の金利はせいぜい0.1〜0.2%程度。銀行に預けているだけでは、実質的に資産が目減りしていく一方です。
新NISAは確かに強力なツールです。年間360万円(成長投資枠240万円+つみたて投資枠120万円)まで非課税で投資できる制度は、世界的に見ても非常に優遇された内容です。しかし、この制度を最大限に活かすためには、「いくら積み立てるか」だけでなく、「何に投資するか」「いつ出口を設けるか」という戦略が必要です。氷河期世代にとって、残りの投資可能期間は20〜25年。この時間を最大限に活用する設計が求められます。
なぜ新NISAだけでは不十分なのか:3つの原因
原因1:積立額が物価上昇に追いついていない
「月3万円積み立てている」という方は多いです。しかし、物価が年2〜3%上昇し続ける環境では、目標額そのものを引き上げていかなければなりません。
たとえば、今から20年後に5000万円を目標とする場合、現在の価値に換算するとその購買力は約3000万円相当になってしまいます(年2%インフレ想定)。「5000万円を積み上げる」ことと「5000万円の価値を守る」ことは、別の話なのです。
原因2:投資先が保守的すぎる
新NISA初心者に多いのが、「元本を失いたくない」という心理から、リターンの低い商品を選んでしまうケースです。債券型やバランス型ファンドは安定していますが、インフレに対抗できるほどのリターンは期待しにくい面があります。氷河期世代は残り20年以上の投資期間があります。この期間であれば、全世界株式や米国株式インデックスのような長期的なリターンが期待できる商品に、資産の中心を置く戦略が理にかなっています。
原因3:固定費の見直しが後回しになっている
投資を増やすためには、投資に回せるお金を確保しなければなりません。しかし、多くの方が固定費の見直しを先送りにしています。携帯電話料金、保険料、サブスクリプションサービス……これらを一つひとつ見直すだけで、毎月1〜3万円の捻出ができることは珍しくありません。「投資の前に固定費の最適化」は、資産形成の鉄則です。
2026年に見直すべき3つの戦略
戦略1:積立額を「インフレ連動」で見直す
毎年4月(または昇給・ボーナスのタイミング)に、積立額を5〜10%増額する習慣をつけましょう。収入が横ばいでも、固定費の見直しと連動させれば積立額の増額は可能です。目安として、手取り月収の20〜25%を投資に回すことが理想です。月収30万円なら6〜7.5万円を投資へ。最初は無理でも、毎年少しずつ増額することが大切です。
戦略2:コア・サテライト戦略で「攻め」と「守り」を両立する
投資の世界では、資産を「コア(中核)」と「サテライト(衛星)」に分けて管理する戦略が有効です。
- コア(資産の70〜80%):全世界株式インデックスや米国株式インデックスなど、長期で安定的なリターンが期待できるもの
- サテライト(資産の20〜30%):高配当株、REITなど、インカムゲインを狙えるもの
新NISAの枠内でこの戦略を取ると、税制メリットを最大限に活用しながら、安定性と成長性を両立できます。
戦略3:固定費の「年1回レビュー」を習慣化する
固定費は一度見直せば毎月効果が続きます。今年見直すべき項目を優先度順に:
- 携帯電話料金(格安SIMへの乗り換えで月5000〜1万円の削減が可能)
- 生命保険・医療保険(特約の整理で月3000〜8000円削減できることも)
- サブスクリプション(使っていないサービスの棚卸し)
固定費を月2万円削減できれば、年間24万円が投資に回せます。20年間の複利効果を考えれば、これは数百万円の差になります。
今日からできること:3つの具体アクション
アクション1:新NISAの積立設定を今すぐ確認する
証券会社のアプリを開いて、現在の積立額と投資先を確認してください。「いつ設定したかわからない」という方は、今年の物価状況を踏まえて見直すタイミングです。特に確認してほしいのは、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を活用できているかという点です。つみたて枠だけで満足している方は、成長投資枠も組み合わせることで年間投資額を増やせます。
アクション2:家計の固定費を「見える化」する
家計簿アプリ(マネーフォワードMEなど)を使って、今月の固定費を一覧化してください。「何にいくら払っているか」を把握するだけで、改善のポイントが見えてきます。まずは固定費の合計を出し、手取り月収の何%を占めているかを計算してみましょう。一般的に、固定費は手取りの50%以内が理想とされています。
アクション3:「老後に必要な金額」を具体的に計算する
「なんとなく5000万円を目指す」ではなく、自分の老後に実際にいくら必要かを計算してみましょう。
計算式の目安:老後の月間生活費(想定)× 12ヶ月 × 老後の年数(65歳〜85歳 = 20年)
たとえば、老後の月間生活費を20万円と想定する場合:20万円 × 12ヶ月 × 20年 = 4800万円
これから年金受給額を引いた差額が、自分で用意すべき金額になります。数字を具体化することで、今やるべきことが明確になります。
まとめ:氷河期世代だからこそ、今が変えどきです
私たち氷河期世代は、バブル崩壊後の就職難、リーマンショック、コロナ禍、そして物価高と、幾度もの経済の荒波を乗り越えてきました。その経験は、決して無駄ではありません。困難な時代を生き抜いた力は、資産形成においても活きるはずです。
2026年、新NISAを最大限に活用し、固定費を最適化し、インフレに強いポートフォリオを構築する。この3つを実践することで、資産5000万円への道は、確実に近づいていきます。
遅すぎることはありません。今日のあなたの一歩が、20年後の自分を救います。
一緒に、着実に前進していきましょう。

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