私は釣りが趣味で、週末ともなれば海や湖に良く出かけています。陸から釣る事が多いですが、船で沖に出て楽しむ事もあります。私は、陸・船問わずに釣りをする際は必ず「救命胴衣」を着用するよう心がけています。しかし現状、陸から釣りをしている方で「救命胴衣」を着用している方は少数と感じます。お子様連れで釣りに来られているシチュエーションも見ますが、お子様も無防備な状態で防波堤の際に居てる事も珍しくありません。今回は、私なりの経験ですが、「救命胴衣の必要性」について書かせていただきたいと思います。
救命胴衣とは
皆さんご存じの通り、救命胴衣は人が落水した場合(水難事故時)に、溺れないように人を水面に浮かせて呼吸を確保する為の防護服です。これさえしていれば、水難事故時の生存率が飛躍的に向上します。皆さん救命胴衣といえば

こういうモデルを想像するのではないでしょうか?このモデルはオレンジの部分すべてが浮力体となっている形式となっています。今はもっとスタイリッシュなベストタイプや腰巻タイプの物があり、気温が高い時期でも快適に着用する事ができます。


動きの制限も無く動きやすそうな形式


腰巻タイプは気温の高い時期に重宝するね
上記2つの救命胴衣は普段は浮力がありません。落水した際に水圧センターが作動してボンベから空気が噴射され浮力体が膨らむ「自動膨張式」と手で紐を引っ張ると浮力体が膨らむ「手動膨張式」の形式があります。私が所有している物は、どちらの形式も持ち合わせている救命胴衣です。
救命胴衣のタイプ
この救命胴衣、着用するに越したことはないですが、着用するにしても「タイプ表示」という重要な指標があります。まず船に乗船する場合は必ず国土交通省形式認証品(国が定める安全基準に基づいた試験に合格した物)で「サクラマーク」が付いた救命胴衣の着用が義務付けられています。また、これらの救命胴衣にはタイプA タイプD タイプF タイプGの4つが日本国内で流通しており、それぞれのタイプについて知っておかなければ、水難事故の際に十分な浮力が得られなかったり、船で沖に出る場合に法律違反になる事もあり、注意が必要です。


難しい事は考えずに「タイプA」を選択するべし
4つのタイプが存在しますが、難しい事は考えずに救命胴衣を準備する場合は必ず「タイプA」を選択してください。タイプAを選んでおけば必要十分な浮力があり、どんな船にでも乗船する事が可能です。他のタイプを選んだ場合、何かしらの制限(使用可能な船舶)があり、いざという時に要件を満たさないということにもなりかねません。
また、価格が安いからという理由で、国の基準を満たさない簡易的な救命胴衣もありますが、本当にオススメできません。船で沖に出る場合だけでなく、陸から釣りをされる場合もタイプAの救命胴衣を着用する事を強くオススメします。
救命胴衣の目的は命を守る事が最優先ですが実は他にも重要な事が・・・
救命胴衣を着用する目的は自分の命を守る事が最大の目的です。「俺は泳げるから大丈夫」と言う方が非常に多いですが、全然分かっていません(笑)私も落水した経験は2度ありますが、その時は波も無く比較的浅い場所でしたのでパニックにはなりませんでした。しかし、波が高く、流れが速い場所での落水となればどうでしょうか?また浅い場所でも、藻や海苔が繁茂している場所では足が滑って陸に上がる事は非常に困難です。すぐに体力は無くなってしまいます。水辺を甘く見ずに常に危機意識を持ちながら水辺を楽しんでいただきたいです。
家族の元へ帰れるように
もう一つ、救命胴衣の目的で重要な事は「家族の元へ帰れるようにする事」なんです。もし、落水した時に気絶していたらどうでしょうか?そのまま水中に沈んでしまうか流されてどこかにいってしまうかになってしまいます。この場合、不幸にも亡くなる確率が極めて高くなります。
救命胴衣をした状態であれば、水中には沈まずに、救助が来た際に発見してもらえる可能性は高いでしょう。しかし、救命胴衣を着用していない場合、発見してもらえない可能性が高くなり、「行方不明状態」となります。ここが非常に大きな差となります。
行方不明状態となった場合、生命保険がおりない・・・。
実は、この行方不明状態になってしまった場合すぐに生命保険を受け取る事が出来ないのです。行方不明状態になった方が亡くなったとみなされるまでには「失踪宣言」というものを受ける必要があります。これには行方不明状態から7年経過後に家庭裁判所に申請して認められれば、亡くなったとみなされることになるそうです。しかもこの7年間は生命保険料を支払い続ける必要があります。
不幸にも水難事故で助からなかった場合でも、救命胴衣を着用している事で発見される可能性が飛躍的に向上し、すぐに家族の元に帰る事が出来、残された家族も経済的に困窮するリスクを軽減する事ができます。しかし、救命胴衣を着用せずに行方不明状態となれば、残された家族にも経済的な影響が及んでしまう事になります。
家族や大切な人の為にも救命胴衣の着用を
水辺は本当に素晴らしい場所です。心も癒されます。しかし、常に危険との隣り合わせです。自分だけでなく、家族や周りの大切な方の為にも、水辺で遊ぶ際は「タイプAの救命胴衣の着用!」していきましょう!!
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