あなたはNISA貧乏?富裕層予備軍!?(笑)考え方は人それぞれ!!

資産形成

NISA貧乏 という言葉、聞いたことありますか?

SNSで話題になっていて、私も思わず見入ってしまいました。20代前半の男性が、NISAの投資枠を満額埋めるために彼女と別れた。飲み会も断る。とにかく「満額投資」を最優先にした生活を送る若者が増えている、という話です。

それを見た私の第一声は、「めちゃくちゃ理解できる!!」でした。

でも世間の反応を見ていると、賛否がきれいに割れているんですね。今回は、この「NISA貧乏」を入り口に、「自分の年齢で、お金にどれだけの価値があるのか」という話をしたいと思います。数字も出しますが、最後は価値観の話です。正解はありません。

お金の価値と年齢について考える

「NISA貧乏」とは?国会でも取り上げられた言葉

「NISA貧乏」とは、NISAの非課税枠を埋めることを優先しすぎて、手元の現金がなくなり、日々の生活や急な出費に対応できなくなる状態のことを指します。

もともとSNSで生まれた言葉ですが、いまや国会で議論される言葉になりました。2026年3月10日の参議院財政金融委員会で、国民民主党の田中健議員がこの言葉を取り上げ、片山財務大臣が答弁しています。ネットスラングが国政の場に出てきた、というだけでも時代を感じますね。

💡 ここがポイント:なぜ2024年から急に増えたのか

2024年に新NISAが始まり、年間の投資枠が最大360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)生涯の非課税保有限度額が1,800万円に拡大しました。枠が大きくなったぶん、SNS上で「何年で1,800万円を埋めきるか」が競争のようになってしまった。これが「NISA貧乏」が生まれた土壌です。

ちなみに年間360万円というのは、月に30万円です。手取りが月30万円の人が満額を目指すなら、生活費はゼロ。そりゃ彼女とも別れることになります。

世間の声は、きれいに真っ二つ

SNSのコメントを眺めていると、見事に意見が割れていました。整理するとこんな感じです。

🔥「そこまでせんでも」派 📈「めっちゃ賢い」派
若い時はお金を使ってなんぼやろ 今の時代、未来を明るく見通せない若者が多いのでは
投資は無理してやるものでもない 老後までフルタイムで働きたくないという意思表示
人生つまらんやろな 若いうちに資産形成できたら圧倒的に有利
経験にお金を使うほうが将来のリターンが大きい 人生のどこかで資産形成をするのは絶対に大事

面白いのは、どちらの意見も正しいということです。片方を選んだ人が、もう片方を否定する必要はまったくない。

私の結論:本人が良ければ、他人が批判することではない

先に私の結論を書いておきます。本人が納得してやっているなら、それでOKです。

NISAに全力投球して、それが楽しくてしょうがない人もいます。資産が増えていくグラフを見るのが趣味、という人だっている。私も正直、その気持ちはかなりわかる側の人間です。

逆に、20代を全力で遊び倒して、その経験が一生の財産になる人もいます。どちらが上でも下でもありません。

ただ、これだけは知っておいてほしい、ということが1つだけあります。

お金の価値は、年齢とともに段階的に落ちていく

私が強く感じているのは、「同じ100万円でも、使う年齢によって価値がまったく違う」ということです。

20代で使う100万円と、50代で使う100万円。金額は同じでも、そこから得られるものは同じでしょうか。

年代 100万円で買えるもの(体験の質) 体感の価値
20代 バックパックで世界一周。徹夜で移動しても平気。出会いが人生の方向を変える 💯
30代 結婚・子育て・住まい。人生の基盤づくりに直結する 💯
40代 家族との旅行。子どもが一緒に来てくれる最後の時期かもしれない 🔵🔵🔵
50代 ちょっといい旅館、いい車。体力の衰えを感じ始め、行動範囲が狭くなる 🔵🔵
60代〜 安心料としての貯蓄。使うより「持っていること」が目的になりがち 🔵

もちろん、これは私の主観です。「50代からが人生の本番や!」という方もいるでしょう。ここは本当に個人差が出るところだと思います。

ただ、ひとつだけ動かせない客観的なデータがあります。健康寿命です。

💡 ここがポイント:お金を「使って楽しめる期間」には終わりがある

日本人の平均寿命は男性81.35歳・女性87.33歳(2025年、2026年7月発表)。一方で、介護などを必要とせず自立して生活できる健康寿命は男性72.57歳・女性75.45歳(2022年)です。

つまり、人生の最後の男性で約9年、女性で約12年は、健康上の制約を抱えて過ごす計算になります。お金を自由に使って心から楽しめる期間は、平均寿命より約10年短いということです。

ここが大事なところです。私たちは無意識に「老後は時間もお金もあるから、そこで楽しめばいい」と思いがちですが、お金を使って楽しむには「健康」という通貨も必要なんですね。そして健康という通貨は、貯金できません。

■ 人生におけるお金の「使いどころ」のイメージ

20代
30代
40代
50代
60代
70代〜

※ 同じ金額から得られる体験価値のイメージ図です。統計データではなく、筆者の考え方を図にしたものです。

数字で見ると、若さは残酷なほど有利

とはいえ、「若いうちに投資を始める」の威力もまた、圧倒的です。ここは感覚ではなく数字で見てみましょう。

毎月3万円を年利5%で運用したと仮定して、65歳時点でいくらになるか。開始年齢だけを変えて計算してみました。

開始年齢 積立期間 投入した元本 65歳時点 うち運用益
25歳 40年 1,440万円 4,578万円 3,138万円
35歳 30年 1,080万円 2,497万円 1,417万円
45歳 20年 720万円 1,233万円 513万円
55歳 10年 360万円 466万円 106万円

💡 ここがポイント:10年の差が2,000万円の差になる

25歳スタートと35歳スタートを比べると、投入した元本の差はたったの360万円。それなのに、65歳時点の資産は2,081万円も違います。差額のほとんどは「時間」が生み出したものです。

逆の見方もしてみましょう。「65歳までに2,000万円を作る」というゴールを固定して、開始年齢ごとに必要な毎月の積立額を計算するとこうなります。

開始年齢 必要な毎月の積立額 自分で出す総額
25歳 約13,100円 約629万円
35歳 約24,000円 約865万円
45歳 約48,700円 約1,168万円
55歳 約128,800円 約1,546万円

同じゴールなのに、25歳なら月1万3千円、55歳だと月12万8千円。約10倍の負担です。しかも自分で出す総額は900万円以上も増える。

「若い時に遊んで、50代から本気を出す」を選ぶと、この表の一番下の行を生きることになります。会社もなかなか辞められません。これが現実です。

⚠️ 数字の前提について

上記はすべて年利5%で一定に増え続けたと仮定した場合の試算です。実際の投資に確定した利回りはなく、元本割れの可能性もあります。あくまで「時間の効果」を体感するための計算としてご覧ください。

じゃあ全部我慢が正解? 実はもう1つの落とし穴がある

ここまで読むと「やっぱり若いうちに全力投資やん」となりそうですが、話はそう単純ではありません。

私が周りを見ていて思うのは、資産がまとまってくると「お金が使えない病」を発症する人が本当に多いということです。

資産が増えるのが楽しくなりすぎて、減るのが怖くなる。1,000万円貯まったら次は2,000万円、その次は3,000万円。ゴールがどんどん先に伸びていって、結局いつまで経っても使えない

そして、人間はいつ死ぬかわかりません。死ぬときに大金持ちであっても、そのお金には何の意味もないのです。

さらに言えば、若い時にお金を使って得た経験も、実は複利で効いてきます。旅で得た価値観、人との出会い、失敗から学んだこと。これらは「自分自身への投資」であって、金融資産と同じくらい後の人生を左右します。20代の経験は、20代でしか買えない。これも紛れもない事実です。

私の答え:今も楽しみ、未来にも備える。そのカギは「稼ぐ」

「若い時の楽しみ」と「将来の資産形成」。この2つは、多くの人にとってトレードオフです。片方を取れば片方が減る。

でも、このトレードオフから抜け出す方法が1つだけあります。収入そのものを増やすことです。

支出を削る節約には限界があります。月10万円の生活費を5万円にはできても、0円にはできない。でも収入には上限がありません。ここが節約と収入の決定的な違いです。

1
まず「無理なく続く金額」を決める
満額360万円は忘れてください。月1万円でも、25歳から続ければ十分に武器になります。上の表を見返してみてください。
2
「今使う用のお金」を先に確保する
投資に回す前に、旅行費・交際費として使い切っていい予算を決めてしまう。罪悪感なく使えるお金があると、投資も長く続きます。
3
そのうえで、稼ぐ力に投資する
資格、転職、副業。収入が増えれば「今を楽しむ」と「未来に備える」が両立します。ここが本丸です。

私自身、放射線技師として働きながら資産形成をしていますが、正直このバランスは今も難しいです(笑)。配当金が入った月は、あえて全額を「浪費」に使うと決めていたりします。未来のためだけに生きるのは、しんどいですからね。

まとめ:あなたにとっての「100万円の価値」は何歳が最大ですか?

最後にもう一度まとめます。

  • 「NISA貧乏」は本人が納得しているなら、他人が批判することではない
  • ただしお金の価値は年齢とともに落ちていく。健康寿命という上限がある以上、これは避けられない
  • 一方で数字で見れば若さは圧倒的に有利。10年の差が2,000万円の差になる
  • 資産が増えると「お金が使えない病」という逆の落とし穴もある
  • 両立させたいなら、削るより稼ぐ。ここに上限はない

結局のところ、「20代の100万円」と「50代の100万円」のどちらに価値を感じるかは、人によって違います。大事なのは、自分がどちら側なのかを自覚したうえで選ぶことだと思うんです。

なんとなく周りに流されて全力投資をしている人も、なんとなく使い切っている人も、一度立ち止まって考えてみてほしい。あなたにとって、お金の価値が最大になるのは何歳ですか?

その答えが出れば、NISAにいくら入れるべきかは、自然と決まってくるはずです。

⚠️ ご注意

本記事は筆者の考え方と公開データをもとにした情報提供であり、特定の投資手法を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。制度の内容は変更される場合がありますので、最新情報は金融庁など公的機関のサイトでご確認ください。

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